国際頚椎学会⽇本機構 A-P 交流委員会「THE 7th INTERNATIONAL SEMINAR OF CERVICAL SPINE SURGERY」のご報告
2026 年 3 月 28 ⽇、CSRS-J 主催による “The 7th International Seminar of Cervical Spine Surgery” がオンラインで開催されました。本セミナーは、ネパールと⽇本の脊椎外科医が難治症例を持ち寄り、診断や治療戦略、合併症対応について議論する国際交流の場として企画されたもので、第 7 回を数える今回も 61 名の参加をいただき 4 題の症例提示と活発な討論が行われました。開会にあたり、國府田正雄先生より、両国の継続的な学術交流への期待を込めたご挨拶をいただきました。司会は Dr. Dipak Shrestha と私、平井が務めさせていただきました。橋本泉智先生からは、重症胸椎 OPLL 術後に生じた硬膜損傷と医原性髄膜瘤への対応が取り上げられ、制御困難な髄液漏に対しては、長期ドレナージに加え、遊離脂肪弁の併用も選択肢となり得ることが共有されました。Dr.Rudra Marqasisniより陳旧化した下位頚椎両側椎間関節脱臼 3 例が提示され、慢性頚椎脱臼に対する手術戦略が議論されました。小沼博明先生から、初回頚椎単椎間固定術後の感染を契機として頚胸移行部に高度後弯を来し、首下がりを呈した症例が紹介されました。頚椎インストゥルメンテーション手術が広く行われる中で、junctional level に感染が生じた場合には病態が深刻化し、再建が極めて困難になることが示されました。Dr Dipak Shrestha から、中位頚椎椎体に生じた aggressive hemangioma の症例が提示され、初回は感染と誤診され、その後の病理診断で血管腫と判明し、病変は急速に進行して麻痺を来し複数回の前方摘出や再建にもかかわらずインプラント脱転も生じ、放射線治療、可及的切除、さらなる広範囲再建の適否について幅広い議論が行われました。最適解を容易に見いだせない、極めて治療判断の難しい症例として強い印象を残しました。閉会の挨拶として、Dr. Rabindra Lal Pradhan よりいただき、ネパールと⽇本の脊椎外科医がそれぞれの経験や工夫を持ち寄り、診断、合併症対策、再建戦略について実践的かつ率直な討論を行うことができ、充実した機会を得たと批評をいただき、盛会裏のうちに終了しました。このような交流は、国際的な学術連携として意義深いだけでなく、⽇本の若手医師を含む会員にとっても視野を広げる貴重な機会であると感じます。今後も継続的に行われる本交流会にぜひ若手の先生方に積極的な参加をしていただき、両国の頚椎外科のさらなる発展につながることを期待しつつ、CSRS-J の会員の皆様の引き続きのご協力をお願い申し上げます。
東京科学大学 平井 高志

